あらすじ
スポーツビジネスの闇に一石を投じる、衝撃的サスペンス!
スポーツ新聞の記者の菅谷は、オリンピック取材を仕事の矜持としてきた。
そんな中、大規模なスポーツの祭典「ザ・ゲーム」がアテネで開催されるという情報をキャッチする。
情報が全くない大会の取材に乗り出した菅谷だが、関係者は一様に口をつぐむばかり。それどころか近年のオリンピックや、メディアとスポーツの関わり方に疑問を呈される。
出場者も多くは語ろうとしないが、選手にとってザ・ゲームが理想的な大会であることを匂わせるばかりだ。
そして関係者が口々に言う主催者の「彼」の理念とはいったい何なのか…。
メディアを一切排除した先にあるスポーツイベントに翻弄される菅谷。
「スポーツ」と「メディア」、「巨大スポンサー」。この構造を崩し、「オリンピック」を壊そうとする首謀者は誰なのか。
菅谷は、謎の組織の正体を暴けるのか。
パリオリンピックを目前に文庫化!
解説は、『スポーツウォッシング なぜ〈勇気と感動〉は利用されるのか』(集英社新書)で話題のスポーツジャーナリスト、西村章さん。
プロローグ
第一章 あの旗を目指せ
第二章 ザ・ゲーム
第三章 祝福の日
エピローグ
解説 西村章
作品考察・見どころ
堂場瞬一氏が描く本作は、巨大資本に飲み込まれた「感動」の在り方を問い直す、魂のサスペンスです。五輪という聖域の裏側で渦巻く利権と、メディアによる情報の消費。スポーツビジネスの光と影を熟知した著者だからこそ描ける、巨大システムへの冷徹なメスは、読者の倫理観を激しく揺さぶります。 物語を貫くのは、一切の露出を拒む謎の祭典という鮮烈なパラドックスです。記者の矜持を揺るがす沈黙の正体とは何か。商業主義という怪物からスポーツを奪還せんとする首謀者の狂気と、その純粋な理念がぶつかり合う結末は、情報の氾濫に疲れた現代人の心に鋭く突き刺さるはずです。




