あらすじ
県内ナンバーワン投手・里田を擁する新潟成南高校を悲運が襲う。
試合後の選手を乗せたバスがまさかの横転事故。
里田は軽傷だったが、監督と部員の半数が重傷を負い、夏の予選出場は絶望的と思われた。
一方、強豪・鳥屋野高校は廃部の危機に瀕していた。
監督のパワハラで退部者が続出。
唯一の三年生・キャプテン尾沢を含め、全部員が五人に激減したのだ。
予選エントリーまで二週間。
尾沢は、中学でバッテリーを組んでいた里田に「連合チーム」を結成して出場しようと、
持ちかけるーー。
『チーム』『大延長』そしてーースポーツ小説の新たなる最高傑作、誕生!
ISBN: 9784408537832ASIN: 4408537837
作品考察・見どころ
堂場瞬一が描くのは、単なるスポ根ではない。不慮の事故と組織の崩壊という、対照的な絶望から立ち上がる「魂の再生」の物語だ。エリート校のエースと部員不足に喘ぐ主将。異なる痛みを抱えた彼らが、既存の枠組みを超えて「連合」を選ぶ過程には、制度や所属を凌駕した、野球という競技への根源的な渇望が宿っている。 警察小説で培われた緻密な筆致は、逆境に抗う少年たちの焦燥と覚悟を、剥き出しの熱量で描き出す。大人たちの論理を跳ね除け、純粋に勝利を欲する彼らの姿は、読者の情熱を激しく揺さぶるだろう。スポーツ小説の枠を超え、人生の理不尽にどう向き合うかを問いかける、圧巻の人間ドラマである。




