あらすじ
ISBN: 9784087440553ASIN: 4087440559
日本新報記者・南康祐は、社内で要注意人物とみなされ、編集局から社長室へと異動。その頃、経営悪化の為、外資系企業への身売り工作が始まっていた。社長が交渉の中心になり、南も渦中に巻き込まれていく。身売りに関して社員や組合が徹底的に反発し、ライバル社への転職者も出る事態に。交渉相手は、紙メディアの存続に関わる買収条件を提示してくるが…。現代メディアのあり方を問う事件小説。
堂場瞬一が放つ本作の本質は、斜陽の新聞業界を舞台にした、言葉の尊厳と矜持の壮絶な衝突にあります。巨大資本に呑み込まれようとする組織の底で、記者が守るべき正義とは何か。紙のメディアが終焉を迎える瞬間の冷徹な冬の空気感が、組織と個人の葛藤を通して痛烈に描かれ、読み手の魂を激しく揺さぶります。 実写映像版では洗練された演出が密室の緊張感を際立たせますが、原作ならではの魅力は主人公・南の独白が持つ圧倒的な密度にあります。活字でしか表現できない組織の軋みや心理戦の解像度は、映像による補完と共鳴し、現代メディアの岐路を映し出す無類の人間ドラマとして昇華されています。