あらすじ
千葉県野田市の江戸川沿いで、七歳の女児の遺体が発見された。
そのニュースを知った東日新聞埼玉支局の古山は、埼玉でも四年前に八歳の女児の行方不明事件があったことを思い出す。
調べてみると、その現場は今回の事件と江戸川を挟んですぐ近くだった……。
三十年以上隠されてきた連続幼女誘拐殺人。縄張りに拘る県警の無駄なプライド。
利権を死守したい政権による圧力。
すべてを乗り越え、真相を追え! 記者の魂を描いた傑作ミステリー。
ISBN: 9784758446310ASIN: 4758446318
作品考察・見どころ
堂場瞬一が描く本作の真髄は、単なる事件解決のプロセスではなく、組織の壁に抗う「個」の執念にあります。県境という地理的制約が招く警察の縄張り意識や、背後に潜む政治的圧力を、一人の記者の視点から熱く暴き出す筆致は圧巻です。三十年という沈黙の歳月がもたらす重圧と真実への渇望が交錯する時、読者はミステリーの枠を超えた人間ドラマの深淵に触れることになるでしょう。 沈黙が強要される社会構造の中で、言葉を武器にする記者の魂がいかに磨かれていくのか。執拗な取材の積み重ねが一本の線に繋がる快感は、正義のあり方を激しく問い直します。静かな怒りを秘めた主人公・古山の歩みは、読む者の心に深く重い余韻を刻むはずです。情報の濁流に立ち向かうプロの覚悟が宿ったこの圧倒的な熱量を、ぜひページを捲る手で体感してください。




