あらすじ
特捜本部、分裂!?警視庁捜査一課の一ノ瀬拓真は、直属の上司で異動してきたばかりの係長・大城に苦手意識を抱いている。隣の係が担当する事件の「尻拭い」を一ノ瀬らに命ずる大城。芸能事務所社員が殺害された事件で、被害者へのストーカー行為を疑われていた男が、任意での聴取後に逃亡したというのだが……。
業界の闇、錯綜する思惑、捜査方針を巡る特捜本部内の対立ーー。果たして、悲運な者たちの鎮魂はなるか?若手刑事たちの奮闘を描く、累計60万部突破の書き下ろし警察小説シリーズ。シリーズ好評既刊:『ルーキー』『見えざる貌』『誘爆』『特捜本部』『奪還の日』
ISBN: 9784122065680ASIN: 4122065682
作品考察・見どころ
堂場瞬一が描くのは、組織という冷徹な歯車の中で若き魂がどう成長するかという極限の人間模様です。本作の肝は、一ノ瀬刑事が直面する組織の「内部対立」という不条理にあります。上官との確執や部署間の意地が事件の闇と重なり合い、単なるミステリーを超えた重厚な組織論へと昇華されています。 タイトルが示唆する、救えなかった命への悔恨。若き刑事たちが泥を啜りながら真実を追う姿は、読者に正義の在り方を激しく突きつけます。組織の軋みに耐え、零れ落ちた希望を拾い集めるその奮闘は、あまりに切なく、眩しい。不条理な社会で戦うすべての人に捧げられた、魂を揺さぶる鎮魂の物語です。




