あらすじ
五輪野球の米国代表監督になった
元日本人大リーガーが金メダルを目指す! 圧巻のスポーツ小説。
まさに監督1年目に経験した、怖さと感動。
誰もが、居場所を得るために、最も難しい心の戦いに挑む。
これだ!涙がひたすら溢れる!!
ーー栗山英樹氏(2023WBC日本代表監督)
20年前、大リーグのニューヨーク・フリーバーズでプレーをしていた藤原雄大。52歳となった今は、マイナーリーグの巡回コーチをしている。ある日藤原は、現役時代のライバルで、大リーグ機構上級副社長であるヘルナンデスの訪問を受けた。東京オリンピックのアメリカ代表監督が亡くなったため、代わりに監督をやってくれないかと打診されたのだ。悩んだ末にその依頼を引き受けた藤原は、戦力補強のため、アメリカと日本の二重国籍を持つ大学生天才スラッガー、芦田をスカウトする。しかし、そこには二つの故郷の狭間で苦しむ若者の姿があったーー。
【著者略歴】
堂場瞬一(どうば・しゅんいち)
1963年生まれ。新聞社勤務のかたわら小説を執筆し、2000年、野球を題材とした「8年」で第13回小説すばる新人賞を受賞しデビュー。スポーツ小説のほか、警察小説を多く手がける。「ラストライン」シリーズ、「警視庁犯罪被害者支援課」シリーズ、「警視庁追跡捜査係」シリーズなど、次々と人気シリーズを送り出している。ほかにメディア三部作『警察(ルビ:サツ)回りの夏』『蛮政の秋』『社長室の冬』、『宴の前』『Killers(上・下)』『ザ・ウォール』『帰還』『凍結捜査』『ボーダーズ』など著書多数。
作品考察・見どころ
堂場瞬一が描く本作の真髄は、野球という競技の枠を超えた「魂の居場所」を巡る切実な問いにあります。元大リーガーの藤原と、日米二重国籍に揺れる天才スラッガーの芦田。二人が直面するのは、国籍や言葉といった記号的な属性ではなく、自分は何者として打席に立ち、誰のために采配を振るうのかという根源的なアイデンティティの葛藤です。 スポーツ小説の旗手である著者の筆致は、グラウンドの緊張感を生々しく再現しながら、登場人物たちの心の深淵にある孤独を鮮やかに描き出します。勝利の先にあるのは単なる栄光ではなく、迷い抜いた末に自らの「ホーム」を見出すための通過儀礼。読み終えた瞬間、あなたの胸にも熱い涙とともに、かつてない清々しい勇気が宿るはずです。




