あらすじ
ISBN: 9784758446327ASIN: 4758446326
三十年以上に亘って県を跨いで繰り返されてきたのに、全てが未解決という幼女誘拐殺人事件。
その真相を暴くべく、東日新聞の新鋭古山とベテラン松島、二人の新聞記者は取材を続ける。
だがその最中、当時の捜査担当だった警察署長が自ら命を絶った。
背後に蠢く大きな闇が見え隠れする中、古山はこの事件に疑問を持ったが故に圧力をかけられ辞めた、元警察官僚の女性覆面作家と会い……。
権力、忖度、矜持──メディアへの警鐘を鳴らす、傑作ミステリー。(巻末対談 堂場瞬一×角川春樹)
堂場瞬一が描く本作の本質は、組織という怪物に抗う個人の「矜持」を巡る魂の衝突にあります。三十年の沈黙が積み上げた重圧を剥ぎ取っていく過程は圧巻で、正義と忖度の狭間で揺れる記者の姿は、現代メディアの在り方を激しく問い直します。単なる事件解決を超え、社会の構造的な歪みを告発する筆致は、読者の心に強烈な緊張感をもたらします。 元官僚の女性作家という異端の視点が物語に重層的な深みを与え、権力の腐敗を浮き彫りにする構成は実に見事です。真実を暴くことが真の救済となり得るのか。ページを捲るほどに深まる哲学的な問いかけは、ジャンルの枠を超えた文学的な芳醇さを放っており、読み終えた後も消えない衝撃を刻みつけます。
実写化・アニメ化された映画やドラマを観て、原作小説ならではの美しい心理描写や、映像化で新たに加えられた解釈・演出との違いを楽しみましょう。
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