あらすじ
岩倉の仇敵METOが再び活動を開始⁉
だがその矢先、創設者と目されている牟田涼が帰国早々殺害される……。
外事四課が武器の密売組織METOの創設者・牟田涼が帰国するとの情報をキャッチ。METOと因縁がある捜査一課の岩倉剛も協力を求められた。だが、羽田空港で牟田の帰国を待つ捜査員たちの目前で、牟田は迎えの車ごと爆殺されてしまう。
捜査陣は牟田の周辺の人物を徹底的に洗い出す。岩倉も相棒の伊東彩香とともに牟田が拠点にしていたシンガポールに飛び、牟田の事実上の妻や部下たちと接触するも、なかなか組織と事件の全貌は見えてこない。やがて岩倉たちを狙った銃撃事件も発生するーー。
いよいよ岩倉vs.METOもクライマックスへ! シリーズ中、最も火薬のにおいが漂う第8弾。
ISBN: 9784167924812ASIN: 4167924811
作品考察・見どころ
堂場瞬一が描く本シリーズの真髄は、定年間近の刑事・岩上が見せる「最後の砦」としての矜持にあります。南房総を舞台に、穏やかな情景に潜む人間の業を冷徹に炙り出す筆致は圧巻です。ベテランの執念が真実を穿つ瞬間、読者は抗いがたいカタルシスと、大人の正義に胸を熱くするはずです。 映像版は緊迫感溢れる演技が魅力ですが、原作には文字でしか辿り着けない心理的迷宮が存在します。緻密な捜査で積み上がる論理と岩上の内なる葛藤は、活字でこそ魂に深く刻まれます。ドラマの躍動感と小説の深淵を往復することで、物語の奥行きはより鮮烈で重厚なものへと昇華されるのです。