あらすじ
世の中は変わる。変わる世の中に対応するのが、警察の仕事だ。
21世紀に沸く平成日本。海外逃亡していたはずの極左の最高幹部が突然仙台に現れ、公安に衝撃が走った。
身柄の移送を担当した公安一課の海老沢は、警察官人生最大の痛恨の失敗を犯す。
一方、捜査一課の高峰は目黒の空き家で殺害された元代議士秘書の身辺を探る。被害者の経歴には6年間の不自然な空白があった。
新聞記者からの思わぬ情報。死の床にある元刑事の父の言葉。そして海老沢に下った極秘の特命捜査ーー事件の様相は一変する。
公安一課と捜査一課。父の系譜をたどる息子たち。警察小説の騎手による大河シリーズ「日本の警察」平成ミレニアム編!
第一章 逃げていた男
第二章 壁
第三章 奇妙な指示
第四章 仙台
第五章 過去から来た人間
第六章 巻き戻す
ISBN: 9784065320914ASIN: 4065320917
作品考察・見どころ
堂場瞬一が描く本作は、警察小説の枠を超え、時代の濁流に抗う人間たちの矜持を捉えています。昭和の陰影と平成の変革が交錯する中、公安と捜査一課という異なる正義が火花を散らす様は圧巻です。過去の亡霊に翻弄されつつ自らの使命を問う男たちの姿には、逃れられない血脈の宿命と、個人の熱き魂が刻まれています。 物語を貫くのは、父から子へと継がれる業と時間の重みです。未解決の闇が現代と結びついたとき、読者は歴史の深淵を覗き込むような興奮に包まれるでしょう。惑いながらも真実を追い求める刑事たちの執念は、現代社会を生きる私たちの胸を激しく揺さぶり、至高のカタルシスを約束してくれます。




