あらすじ
「仏の鳴沢」と呼ばれた祖父。
「捜一の鬼」の異名を持つ父。
その二人を継ぐ、「刑事として生まれた男」--。
堂場瞬一史上人気NO.1警察小説!
祖父・父を継いで新潟県警捜査一課の刑事となった鳴沢了は、晩秋の湯沢で殺された老女が、かつて宗教教団の教祖で、五十年前に殺人事件に関わったことを突き止めた。了は二つの事件の関連を確信するが、捜査本部長の父はなぜか了を事件から遠ざけるのだった。正義は、そして歳月は、真実を覆い隠すのか?
堂場瞬一の原点にして、警察小説の潮流を創り出した大傑作。
新装版 刑事・鳴沢了シリーズ
2020年1月より毎月刊行予定!
ISBN: 9784122068216ASIN: 4122068215
作品考察・見どころ
堂場瞬一の「雪虫」は、単なる警察小説の枠を超えた「血」と「矜持」の物語です。三代続く刑事の家系に生まれた鳴沢了が直面するのは、凄惨な事件の背後に潜む五十年の歳月と、実の父との対立。正義を追求するほどに孤立を深めていく鳴沢の姿は、冷徹な筆致で精緻に描かれ、読者に「真の正義とは何か」を鋭く問いかけます。 本作の真骨頂は、北国の晩秋を舞う雪虫のように儚くも残酷な、人間の業の深さにあります。過去と現在が交錯する中で、組織の論理と個人の信念が火花を散らす緊迫感は圧巻です。刑事という過酷な運命を背負った男の咆哮が、静謐な文章の中から熱く響き渡る本作は、警察小説というジャンルを一段高い文学へと昇華させた金字塔と言えるでしょう。




