あらすじ
堂場瞬一のデビュー作にしてスポーツ小説の金字塔『8年』から19年、満を持して続編刊行。
東京オリンピック。野球アメリカ代表監督の大役は、元大リーガーの日本人に任された!
20年前、大リーグのニューヨーク・フリーバーズでプレーをしていた藤原雄大。52歳となった今は、マイナーリーグの巡回コーチをしている。ある日藤原は、現役時代のライバルで、大リーグ機構上級副社長であるヘルナンデスの訪問を受けた。東京オリンピックのアメリカ代表監督が亡くなったため、代わりに監督をやってくれないかと打診されたのだ。悩んだ末にその依頼を引き受けた藤原は、戦力補強のため、アメリカと日本の二重国籍を持つ大学生天才スラッガー、芦田をスカウトする。しかし、そこには二つの故郷の狭間で苦しむ若者の姿があったーー。
オリンピック関連のスポーツ小説を4社からリレー刊行する「DOBA2020プロジェクト」第4弾!
まさに監督1年目に経験した、怖さと感動。
誰もが、居場所を得るために、最も難しい心の戦いに挑む。
これだ!涙がひたすら溢れる!!
ーー栗山英樹氏(北海道日本ハムファイターズ 監督)
【著者略歴】
堂場瞬一(どうば・しゅんいち)
1963年生まれ。新聞社勤務のかたわら小説を執筆し、2000年、野球を題材とした「8年」で第13回小説すばる新人賞を受賞しデビュー。スポーツ小説のほか、警察小説を多く手がける。「ラストライン」シリーズ、「警視庁犯罪被害者支援課」シリーズ、「警視庁追跡捜査係」シリーズなど、次々と人気シリーズを送り出している。ほかにメディア三部作『警察(ルビ:サツ)回りの夏』『蛮政の秋』『社長室の冬』、『宴の前』『Killers(上・下)』『ザ・ウォール』『帰還』『凍結捜査』など著書多数。2020年は「DOBA2020 スポーツを読む!!」プロジェクトと題し、オリンピック関連の小説『チームIII』『空の声』『ダブル・トライ』『ホーム』を4カ月連続刊行。
作品考察・見どころ
堂場瞬一の原点『8年』から繋がる本作は、単なる野球小説の枠を超え、魂の「居場所」を問う壮大な人間ドラマです。米国代表監督に抜擢されたかつてのスター、藤原の葛藤は、成熟した大人だからこそ味わう苦渋と誇りに満ちています。彼の視点を通して描かれる勝負の厳しさは、読む者の胸を熱く焦がす圧倒的なリアリティを放っています。 物語の核心は、二つの国家の狭間で揺れる若き天才、芦田との対峙にあります。ホームという言葉が持つ重層的な意味が、白球の行方とともに鮮やかに浮かび上がります。自分は何者か、どこに還るべきか。この永遠の問いに対し、著者はスポーツという極限の状況下で、残酷なまでの美しさをもって答えを提示します。これこそ、現代を生きる我々の心に深く刺さる、魂の救済を描いた傑作です。




