あらすじ
新人刑事時代のある捜査に違和感を抱いていた追跡捜査係の沖田は、二十年ぶりの再捜査を決意。自殺と処理された案件は、実は殺人だったのではないか―内部による事件の隠蔽を疑う沖田を、同係の西川はあり得ないと突っぱねるが、当時事件に携わった刑事たちへの事情聴取により、疑惑はさらに高まる。そんな折、沖田は何者かに尾行されていることに気づくが...。シリーズ史上最も厄介な敵を相手に、熱き男たちの正義感が爆発する!書き下ろし警察小説。
ISBN: 9784758441865ASIN: 4758441863
作品考察・見どころ
堂場瞬一が描く本作の神髄は、組織の論理と個人の正義が激突する緊迫感にあります。二十年前の迷宮に挑む沖田の執念は、単なる真相究明を超え、組織への孤独な反逆へと昇華されています。動の沖田と静の西川、対照的な二人がぶつかり合いながら深淵へと迫る心理描写は、重厚な警察小説の醍醐味と言えるでしょう。 実写化ではスリリングな追跡劇が強調されますが、原作にはテキスト特有の沈黙の重圧が流れています。映像の衝撃を、当事者の心の揺らぎを緻密に綴った行間が補完し、深い人間ドラマへと導きます。両メディアを味わうことで、正義の多面性がより鮮烈に浮かび上がるはずです。




