あらすじ
ISBN: 9784022651426ASIN: 4022651423
千葉県警捜査二課の結城は、贈収賄事件の内偵中に、最愛の妻を病気で失ってしまう。彼は悲しみを忘れるため捜査に没頭するが、ある告発をきっかけに自らの立場が揺らぎ始める。そんな中、一人娘から助けを求める連絡が入り……。
堂場瞬一が描くのは、単なる警察小説の枠を超えた「喪失と再生」の冷徹な記録です。最愛の妻を亡くした主人公が、その空虚を埋めるかのように捜査へ没頭する姿は、読む者の胸を締め付けます。孤独と組織の論理が交錯する中で彼が直面する倫理的葛藤こそが本作の白眉であり、ハードボイルドな筆致がその悲哀をより一層際立たせています。 事件を追う「外」の戦いと、己の信念を問う「内」なる孤独が共鳴し、物語は重厚な人間ドラマへと昇華されます。誰を信じ何を護るべきか。極限状態の決断は、効率や正義では括れない深い余韻を残します。組織の闇と家族の絆が鋭く交錯するスリルに、読者は最後まで翻弄されるはずです。
実写化・アニメ化された映画やドラマを観て、原作小説ならではの美しい心理描写や、映像化で新たに加えられた解釈・演出との違いを楽しみましょう。
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