あらすじ
ISBN: 9784022650955ASIN: 4022650958
満員の通勤電車が脱線し、死者80名超の大惨事が発生した。自分の下敷きとなった女性の死に打ちのめされた雑誌記者の辰巳は、真相を求めてペンを握る。一方、鉄道会社側もさまざまな手段を講じ始め……。それぞれの正義が錯綜するサスペンス。
堂場瞬一が本作で穿つのは、惨劇の「後景」に蠢く剥き出しの人間性です。生存者が背負う呪縛のような罪悪感と、組織の論理という名の巨大な暴力が激突する様は圧巻。死者の重みを肌で感じた記者の苦悶は、正義という言葉の虚飾を剥ぎ取り、読み手の倫理観を激しく揺さぶります。 抑制された筆致から零れ落ちる熱量は、社会の歪みを告発し、踏みにじられた魂の救済を問いかけます。真実が闇に溶ける中で、それでも光を求めて足掻く執念。この物語が放つ慟哭は、読了後も消えない鋭い痛みを、私たちの胸に深く刻みつけることでしょう。
実写化・アニメ化された映画やドラマを観て、原作小説ならではの美しい心理描写や、映像化で新たに加えられた解釈・演出との違いを楽しみましょう。
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