あらすじ
ISBN: 9784167914509ASIN: 4167914506
“事件を呼ぶ”ベテラン刑事・岩倉剛に訪れた危機!
都内の南大田署管内で深夜、殺人事件が発生。捜査は難航するも、やがて被害男性が、同時期に都内の別の場所で殺された女性の被害者と接点があったことが判明。だが精密機械メーカー勤務の男と、一方でテレビでも活躍する女性経済評論家はどこでつながっていたのか。
意見の相違から本部内で浮いてしまい、捜査より外された岩倉は一人でこつこつと捜査を進めて行く。徐々に真相が明らかになる中で、やがて彼の前には得体の知れない犯罪組織が姿を現すのだったーー。
堂場瞬一が描く本作は、ベテラン刑事・岩倉剛の「静かなる執念」が結晶化した傑作です。組織から孤立しながらも微細な違和感を手繰り寄せ、巨大な闇へと肉薄する岩倉の背中には、職人としての矜持が漂います。緻密に張り巡らされた伏線が迷路を解き明かす過程は、警察小説の醍醐味を極めています。 映像化作品では事件の緊迫感が際立ちますが、原作の真髄は彼が内包する「思考の沈殿」にあります。活字ならではの深い内省や捜査の泥臭い描写は、読者の知性を強く刺激します。映像でドラマの熱量を感じ、原作で男の孤独な魂に深く触れる。この重層的な体験こそが、本作を嗜む上での至高のシナジーと言えるでしょう。