あらすじ
産婦人科医の北条衛は、伊豆中央病院に異動を命じられた。予期せぬ都落ち、しかも鬼の老教授が医局を支配していると聞く。着任早々、その教授と手術を行うはめになった衛。彼は、地域の命の砦を守る重責を感じつつ、個性ゆたかな先輩医師に学びながら成長してゆく。激務に疲れた衛に活力を与えるのは、伊豆半島の海と山の幸だった。現役医師が描く、興奮と感動の医学エンターテインメント。
ISBN: 9784101046518ASIN: 4101046514
作品考察・見どころ
現役医師である藤ノ木優氏が紡ぐ本作は、単なる医療ドラマの枠を超えた、魂の再生を問う物語です。産婦人科という生と死が極限で交差する現場を、著者自身の知見に基づいた圧倒的なリアリティで描き出しています。専門的な筆致がもたらす現場の逼迫感と、若き医師の葛藤が共鳴し、読者はいつしか命の重みを肌で感じるような濃密な読書体験へと誘われるでしょう。 本作の白眉は、激務に削られる心身を伊豆の豊かな自然と食が癒やしていく、その鮮やかなコントラストにあります。厳格な師との出会いや過酷な決断を通じて、主人公が真の名医へと脱皮していく過程は、すべての働く人の胸に熱い火を灯します。明日を生きる活力を与えてくれる、情熱と慈しみに満ちた至高のメディカル・エンターテインメントです。