あらすじ
2020年、東京五輪に向けて再開発が進む渋谷区のアパートで、老人の他殺体が発見された。捜査の結果、その被害者はかつて名家の人間だったことが判明する。この男は何者なのかーー。渋谷で発見される、額に傷を付けられた死体。50年という時の中に潜み続ける殺人者とはーー。警察小説の旗手・堂場瞬一が「人が人を殺す」というテーマに向き合い書き上げた、記念碑的文芸巨編。
渋谷に潜む殺人者ーー。
2020年、東京五輪に向けて再開発が進む渋谷区のアパートで、老人の他殺体が発見された。捜査の結果、その被害者はかつて名家の人間だったことが判明する。
いったい、この男は何者なのかーー。
渋谷で発見される、額に傷を付けられた死体。
五十年にわたる「Killers」=殺人者の系譜と、追う者たち、そして重なり合う渋谷という街の歴史。
警察小説の旗手・堂場瞬一が「人が人を殺す」というテーマに向き合い書き上げた、記念碑的文芸巨編。
第二部 後継者(承前)1985
第三部 破滅の足音 2014
捜査III
第四部 最後の逃走 2015
解説 杉江松恋
作品考察・見どころ
堂場瞬一が放つ本作は、単なる警察小説の枠を超え、半世紀に及ぶ殺意の連鎖を冷徹かつ叙情的に描き出した記念碑的巨編です。再開発に沸く渋谷という街の変遷を背景に、罪が世代を超えて浸食していく様は圧巻。人が人を殺めるという行為の根源的な虚無と、逃れられない血の宿命が、重厚な筆致で静かに、しかし力強く綴られています。 特筆すべきは、都市の記憶と個人の絶望が交差する文学的深度です。かつての熱狂が塗りつぶされた現代の渋谷で、隠蔽された過去が疼き出す演出は、読者の倫理観を激しく揺さぶります。これは犯人を追う物語であると同時に、社会が何を切り捨て、何を殺人者として育ててきたのかを問う魂の記録であり、読了後も消えない戦慄を約束します。




