あらすじ
堂場瞬一という作家の「これまで」と
「今」がまるごと詰まった一冊。(・・・・・・)間違いなく
堂場瞬一の里程標たる作品である。-大矢博子
死体で発見されたコンサルティング会社社員、そして消えた女性社員、同社の海外贈賄事件を内偵していた刑事の失踪。捜査を担当する所轄署刑事課長と大学ラグビーの花形選手だった同社社長は、かつて刑事とネタ元として信頼関係を築いていた。しかし今、社長は本社である商社役員の座を狙い、捜査にあたる刑事課長は署長への道を探っている。企業人と警察官、二人それぞれの正義とは ? 堂場瞬一の世界が濃密に凝縮された傑作。
ISBN: 9784488454128ASIN: 4488454127
作品考察・見どころ
本作は、スポーツ小説の熱量と警察小説の峻厳さを見事に融合させてきた堂場瞬一の、まさに到達点と呼ぶべき里程標です。かつての信頼関係が、出世を賭けたそれぞれの正義と衝突する時、物語は単なる事件解決を超えた、壮絶な人間ドラマへと昇華されます。互いの野心が静かに火花を散らす心理戦は、読み手の魂を激しく揺さぶる緊張感に満ちています。 描かれるのは、組織に生きる大人の孤独と、泥を啜ってでも高みを目指す男たちの矜持です。過去の栄光を背負いながら、現在の戦場で下す決断の重みは、効率や損得では測れない人間の真価を問いかけます。著者の筆致はどこまでも硬派で熱く、読み終えた後、自らの人生における正義を問わずにはいられない、極上のカタルシスを約束してくれるでしょう。




