あらすじ
ISBN: 9784758443166ASIN: 4758443165
「十五年前の通り魔殺人事件の犯人を知っている。直接会って話したい」。
未解決事件を扱う追跡捜査係に、山岡と名乗る男から垂れ込みが入った。
たまたまその電話を受けた沖田は待ち合わせ場所に向かうが、男は現れなかった。
山岡との接触をしつこく試みる沖田をよそに、
追っても無駄だと、十年前の別の事件の資料を掘り返す同係の西川。
果たして、事態は予想外の方向へ転がっていく。
情報提供者の男と絡み合う複数の事件……驚愕の真実を暴く、書き下ろし警察小説。
堂場瞬一が描く本作の真骨頂は、追跡捜査係という場で、風化しゆく事件に再び血を通わせる執念の描写にあります。直情的な沖田と沈着な西川という対照的な視点を通じ、単なる情報の真偽を超えた人間の記憶の曖昧さと罪の深淵を鋭く抉り出しています。過去の亡霊が現在を侵食する緊迫感は、文芸ならではの緻密な心理描写によってより色濃く読者に迫ります。 映像化作品では俳優陣の熱演がバディの摩擦を具現化していますが、原作はテキストだからこそ描ける情報の裏側の澱を克明に表現しています。映像で物語の輪郭を掴み、活字で内面の葛藤や微かな呼吸を補完することで、真実が明かされる際のカタルシスは倍増します。両メディアを横断することで、重層的な人間ドラマの深みを心ゆくまで堪能できる一冊です。
実写化・アニメ化された映画やドラマを観て、原作小説ならではの美しい心理描写や、映像化で新たに加えられた解釈・演出との違いを楽しみましょう。
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