あらすじ
大反響の「訳あり」お葬式小説、第三弾!
美空がスカイツリー近くの小さな葬儀場「坂東会館」に入社して二年。訳あり葬儀ばかり引き受ける葬祭ディレクター・漆原の助手をしながら、研鑽を積む日々だ。
繁忙期前のある日、坂東会館に社長の甥、小暮が入社する。彼が推進する効率重視の業務改革に対し、反発する美空たち。だが、やがて小暮の信念の源もあきらかになり……。
火災で祖母と孫を亡くした家族、夫の遺体を焦るように群馬から東京へ搬送した妻、母の葬儀に離婚した父を呼ぶかで苦悩する年若き兄妹──
「別れ」と懸命に向き合う人々の姿に、あたたかな気持ちと涙があふれるお葬式小説、第三弾。
【編集担当からのおすすめ情報】
美空が「坂東会館」のアルバイトから社員になって、はや2年。
上司であり、目標でもある上司の葬祭ディレクター・漆原の指導は相変わらず厳しめ。
それでも、ご遺族が前に進めるような心から納得できる式を、という志のもと日々奮闘し、着実に成長していく美空のところに、社長の甥・小暮さんという小さな嵐がやってきます。
落涙必至の「訳あり」葬儀や、佐藤日向さんの解説にもぜひご注目ください。
作品考察・見どころ
死者と生者の境界を描く本作の真髄は、残された者が再生へと向かう「祈り」の過程にあります。長月天音は、言葉にならない想いを精緻な心理描写で掬い上げ、死の冷徹さと生の温もりを同時に描き出します。継承される仕事の哲学と人々の心の機微は、読者の魂を静かに揺さぶる文学的極致と言えるでしょう。 映像作品では視覚的な静謐さが際立ちますが、原作には五感を刺激する「行間の奥行き」が宿っています。映像で儀式の美しさを知り、原作で深淵なる独白に触れることで、物語の解像度は飛躍的に高まります。メディアを越えて響き合う鎮魂のドラマを、ぜひ体感してください。
