あらすじ
もっとも人気のある詩人の、もっとも有名な詩集。なかでも突出した人気を誇る表題作は、自分で考え続けること、自立した知性を磨き続けることの大切さをうたい、そのメッセージ性の強い言葉は、自分自身への問いかけとして多くの読者の共感をよび、やすきに流れる心を戒めてきた。現代詩の枠をこえた感動の名著。(解説=伊藤比呂美)
詩集と刺繡
癖
自分の感受性くらい
存在の哀れ
知命
*
青年
青梅街道
二人の左官屋
夏の声
廃屋
孤独
友人
底なし柄杓
波の音
*
顔
系図
木の実
四海波静
殴る
鍵
茨木のり子の詩の魅力(伊藤比呂美)
初出一覧
茨木のり子著作目録
ISBN: 9784006023683ASIN: 4006023685
作品考察・見どころ
茨木のり子の言葉は、日常の倦怠を切り裂く鋭い刃のようです。彼女は安易な慰めを与えず、気高き厳しさで読者の自立を促します。他者や時代のせいにせず、自らの心の渇きを自らの責任として引き受ける。その潔い文体は、単なる文学の枠を超え、魂を研ぎ澄ますための聖書とも言える強烈な輝きを放っています。 白眉となるのは、徹底した自己規律と生命への信頼です。感受性が摩耗しがちな現代において、「自分で守れ」と突き放す言葉の裏には、人間が持つ本来の強さへの祈りが込められています。自らの意志で凛と立ち、内なる感性を耕し続けることの美しさを説く本作は、読む者の魂を揺さぶり、明日を生きるための鮮烈な意志を再燃させてくれるでしょう。