あらすじ
「国民的地元のツレ」、ヒコロヒー初の小説! 平気をよそおって言えなかった言葉、感情がほとばしって言い過ぎた言葉。ときに傷つきながらも自分の気持ちに正直に生きる人たちを、あたたかな視線で切り出した共感必至の掌編18編を収録。
ISBN: 9784022519573ASIN: 4022519576
作品考察・見どころ
ヒコロヒーという表現者が持つ鋭利な観察眼が、掌編小説という器の中で見事な文学へと昇華されています。本作の本質的な魅力は、平穏を装う仮面の裏側で渦巻く、名付けようのない感情の機微を掬い上げる筆致にあります。語られなかった言葉の重みと、零れ落ちてしまった言葉の脆さ。その両端を等身大の筆致で描くことで、読者の心の奥底に眠る「言いたかった本音」を優しく、かつ鮮烈に突き刺してくるのです。 全18編に貫かれているのは、不器用ながらも自分自身を裏切らずに生きようとする人々への、深い慈しみと連帯の眼差しです。彼女の文章は、単なる日常の切り出しに留まらず、社会の中で摩耗しがちな「個」の尊厳を鮮やかに蘇生させます。毒気を含みながらも温かい、その唯一無二の文体が生み出すリズムに身を任せれば、読み終える頃には、自分の歪な感情さえも愛おしく感じられるはずです。

























