あらすじ
【2020年本屋大賞受賞作】 【映画化決定 2022年5月公開】 監督・脚本 李相日 出演 広瀬すず、松坂桃李 横浜流星、多部未華子ほか 愛ではない。 けれどそばにいたい。 新しい人間関係への旅立ちを描いた、 息をのむ傑作小説。 最初にお父さんがいなくなって、次にお母さんもいなくなって、わたしの幸福な日々は終わりを告げた。すこしずつ心が死んでいくわたしに居場所をくれたのが文だった。それがどのような結末を迎えるかも知らないままに――。だから十五年の時を経て彼と再会を果たし、わたしは再び願った。この願いを、きっと誰もが認めないだろう。周囲のひとびとの善意を打ち捨て、あるいは大切なひとさえも傷付けることになるかもしれない。それでも文、わたしはあなたのそばにいたい――。新しい人間関係への旅立ちを描き、実力派作家が遺憾なく本領を発揮した、息をのむ傑作小説。本屋大賞受賞作。 解説=吉田大助
ISBN: 9784488803018ASIN: 4488803016
映画・ドラマ版との違い・考察
凪良ゆうが描くのは、世間の「正義」が切り捨てた魂の震えです。本作の魅力は、加害者と被害者というラベルを剥ぎ取り、記号化できない純粋な孤独と救済を描き切った点にあります。既成の道徳を揺さぶる二人の姿は、愛を超えた切実な生への希求を読者に突きつけます。 映画版は凄絶な美しさで痛切な現実を刻みますが、原作には文字でしか触れられない心の深淵が宿っています。映像のリアリズムと小説の繊細な心理描写が共鳴し合うとき、私たちは「理解されない」絶望の先にある真実の絆を、より深く体感することになるでしょう。