あらすじ
◎「読売新聞」「毎日新聞」「産経新聞」「東京新聞」「北海道新聞」ほか各紙書評欄&インタビュー欄に多数掲載
◎SNSで話題沸騰&続々重版!!
医学部に通うほど優秀だったが、統合失調症の症状が現れて突然叫びだした姉。姉を「問題ない」と医療から遠ざけ南京錠をかけて家に閉じ込めた、医師で研究者の両親。そして変わってしまった姉を心配し、両親の対応に疑問を感じながらもどうすることもできずにいた弟。20年にわたって自身の家族にカメラを向け続けた弟・藤野知明監督によるドキュメンタリー映画『どうすればよかったか?』は、公開と同時に大きな反響を呼び、異例の大ヒットを記録した。
本書では、映画に入れることを断念したショッキングな家族の事実をはじめ、家族と過ごした時間の中で味わった悲しみ、怒り、混乱、葛藤、喜び、希望など、映像では伝えきれなかった様々な思いを監督自身の率直な言葉で明かしている。
息を呑むような衝撃とともに突き付けられるのは、「家族とは?」「人生とは?」、そして「どうすればよかったか?」という答えのない問いーー。
ままならない思いを抱えながら、それでも誰かと生きようとする、すべての人に捧げるノンフィクション。
はじめに
第一章 子供時代の思い出(1966〜1982)
第二章 混乱の日々(1983〜1992)
第三章 家族と離れて(1993〜2000)
第四章 家族との対話(2001〜2008)
第五章 時間を取り戻す(2009〜2021)
第六章 姉のいない時間を生きる(2022〜2025)
おわりに
映画・ドラマ版との違い・考察
本作は、医学を志した姉の病と、彼女を治療ではなく監禁によって隠蔽した医師の両親、その傍らで揺れ続けた弟の視点を描く、残酷で慈愛に満ちたノンフィクションです。知性が家族という密室で暴力へと変貌する恐ろしさと、正解のない問いに立ち向かい続ける人間の尊厳が、血の通った筆致で克明に刻まれています。 映画版が視覚的な生々しさで観る者を圧倒するのに対し、本書は映像で語りきれなかった心の深淵を見事に補完しています。文字だからこそ到達できる両親への複雑な愛憎や沈黙の裏の慟哭は、映像体験をより多層的なものへと昇華させます。二つの表現が交わる時、読者は家族という逃れられない絆の真実に、魂を激しく揺さぶられるはずです。