あらすじ
貝は海からの贈り物。
真珠には、
不思議な魔力が潜んでいる。
祖母と孫、母と娘、女友達ーー。
真珠がつなぐ人生と夢を描く、
極上の短編集。
展覧会を一目見ることができたら、フェルメールに捧げる物語を書くときめ、作家の私はアムステルダムに向かった。(「フェルメールとの約束」)
パリで設計事務所を営む祖母に憧れ、建築の勉強をしている杏樹。祖母からシャルロット・ペリアンの写真を見せられ、衝撃を受ける。(「あの日のエール」)
リタ、碧海、芦花はハーバードの同級生。メトロポリタン美術館の学芸員であるリタの企画展のため久しぶりに鳥羽で集まることに。(「海からの贈り物」) ほか
ISBN: 9784344045590ASIN: 4344045599
作品考察・見どころ
原田マハが描く本作は、真珠というモチーフを通して、女性たちの強さと美しさを結晶化させた珠玉の短編集です。美術史への造詣が深い著者らしく、フェルメールやペリアンのエッセンスを織り交ぜながら、歴史と現代を鮮やかに繋ぐ筆致には感服します。傷つきながらも輝きを増していく人生の肯定が、読者の魂を優しく包み込みます。 本作の真髄は、苦難や哀しみを呑み込んで円熟していく真珠の成り立ちを、登場人物たちの生き様に見事に重ねた点にあります。読了後、あなたの心には温かな光が宿り、明日への希望が円く満ちていくことでしょう。物語が放つ静謐で力強い輝きを、ぜひその手で確かめてください。