あらすじ
東北新幹線アリバイくずしの傑作!
雑誌「旅と人生」の取材のため、新人記者の藤原冬美はベテランの関秀二郎と組んで東北地方へ向かった。関は特急「リバティ会津111号」の車中で、人気の再生コンサルタント・平川敏生と三年ぶりに再会する。一方で同日、財務省のキャリア官僚である土屋健次郎の死体が東北新幹線「なすの270号」で発見された。十津川警部は平川を容疑者のひとりとして捜査を進めるが、彼には確固としたアリバイがあった。取材旅行から戻った矢先、今度は関が殺されてしまい、冬美の身辺にも危機が迫る。冬美は独自にルートをたどって調べを進めるが、決定的なところで平川のアリバイをくずせない。そのような中、総理に関わるある若手エリートの存在が捜査線に浮上してきて……。
疫禍の中、巨大プロジェクトをめぐる人々の思惑が渦巻くスリリングな展開と、巧妙なアリバイをくずしてゆく十津川警部の捜査行をお楽しみください。
西村京太郎トラベルミステリーの真骨頂!
ISBN: 9784094075687ASIN: 4094075682
作品考察・見どころ
西村京太郎の真髄は、精緻な時刻表の隙間に人間の業を流し込む筆致にあります。本作は特急リバティという象徴的な舞台を用い、単なるパズルを超えた政治的腐食と個人の執念を鮮烈に描写。十津川警部が挑むのは、物理的な距離の壁だけでなく、エリートたちが築いた特権階級の虚構です。 疫禍という時代性を背景に、若手記者の視点から真実への渇望を描く構成は、社会派ミステリーとしての重厚な深みをもたらしています。読者はページを捲るほどに、鉄路が紡ぐ静かな緊張感と、巨悪に立ち向かう人々の熱き魂に強く心揺さぶられるはずです。


















