ひのひまり/佐倉おりこ
三風です。もうすぐ私たち四姉妹の誕生日!…って、わくわくした気持ちだったのに…。絶対にかくさなきゃならない、私たちの最大のヒミツーー『四つ子は、子どもだけでくらしている』ってことが、学校でウワサになってるんだって…!もうすぐ、授業参観日。家族が誰も見に来なかったら、ウワサは本当なんだって思われちゃう。どうしよう!?そんなとき四月ちゃんが、『ある人』にお母さんのフリをしてもらう作戦を思いついて…!?楽しく誕生日パーティーをするためにも、作戦を成功させなきゃ!
本シリーズの真髄は、児童書の枠を超えた緊張感と、過酷な境遇を跳ね返す姉妹の連帯感にあります。今作では「保護者の不在」という最大の弱点が露呈しかけ、彼女たちが守り抜いてきた聖域が崩れる瀬戸際の心理戦が展開されます。自立を強いられた少女たちの切実な生存戦略が、ひのひまり先生の筆致で瑞々しく描かれている点が、本作最大の文学的魅力です。 四人の個性が響き合い、絶望を希望へと転換させる構成は見事です。誰かに頼る勇気と、自力で未来を切り開く覚悟。その狭間で揺れ動く繊細な心情は、読み手の胸を熱く焦がします。誕生日の輝きを必死に守ろうとする健気な姿は、家族の定義を問う深いテーマを私たちに突きつけてくるのです。