あらすじ
「忠告だ。影山には近づくな」。
川崎中央署の若手刑事・村上翼は、管内で起きた人質事件をきっかけに傍若無人なベテラン刑事・影山康平に目をつけられ、強引に連れ回されるようになる。
署内の誰もが”裏切り者”と敬遠する影山が、実は10年前に起きた未解決の殺人事件を独自に捜査し続けていると知り、村上も事件解明へと乗り出すが、その矢先、新たな殺人事件が発生。
被害者の身元もわからず捜査は難航するかと思われたが、村上は2つの事件のつながりに気づき……。圧巻の王道警察小説!
第一章 孤立した男
第二章 警 告
第三章 密告者
第四章 身 元
第五章 危険な男
第六章 たどり着いた先
解説 若林踏
ISBN: 9784041143704ASIN: 4041143705
作品考察・見どころ
堂場瞬一が描くのは、組織の歪みと個の正義が衝突する瞬間に宿る凄まじい熱量です。本作において、若き村上と「裏切り者」と蔑まれるベテラン影山の対峙は、単なるバディものを越えた峻烈な緊張感を放ちます。孤立を恐れぬ影山の執念に触れた時、読者の胸には熱い衝撃が走ることでしょう。 タイトルの「枷」が象徴するのは、刑事という生き方が抱える業と孤独です。二つの事件が交錯する過程で描かれるのは、組織の論理に抗う個の矜持です。この泥臭くも崇高な人間ドラマは警察小説の真髄であり、真実を追い求める者の覚悟が、読む者の魂を激しく揺さぶり続けます。




