あらすじ
大リーガー×日本人通訳
蘇る友情、明かされる過去ーー
1960年春、地理学者・京極勝は思いがけない人物の訪問を受けた。
ディック・チャンドラー。1934年秋、ベーブ・ルースと共に
全米野球チームの一員として来日した、元大リーガーだ。
京極は当時、全米チームの通訳として帯同し、選手たちと日々を過ごし、
ディックとの間にも友情が芽生えたのだった。
戦争を挟んで途絶えていた絆が蘇るが、
26年経つ今、なぜ彼は突然来日したのか。
舞台は東京、横須賀、ボストン、そしてニューヨークへ……
日本でプロ野球が誕生するきっかけとなった「ベーブ・ルース・オールスターズ」。
ミステリー、そしてスポーツ小説の名手が、史実を題材に、
日米史の“暗部”に切り込んだ、傑作エンタメ・サスペンス!
巻末の解説は、日米の野球の歴史に精通する池井優氏(慶應義塾大学名誉教授)が寄稿。
野球ファンは、こちらも読み逃しなく!
ISBN: 9784408556208ASIN: 4408556203
作品考察・見どころ
本作は、ベーブ・ルース来日という華やかな史実の裏側で、日米の運命が交錯する瞬間を鮮烈に描き出した傑作です。堂場瞬一氏は、野球という純粋な娯楽の光の中に、軍機保護法という戦前の暗い影を巧みに投影させ、国家の巨大な思惑に翻弄される個人の孤独と、それでも途切れることのなかった魂の交流を深く掘り下げています。 物語を貫く地図というモチーフは、単なる地理的資料ではなく、時代に裏切られた者たちが遺した記憶の足跡そのものです。通訳と選手という、言葉を介して繋がった二人の男が戦後の再会を経て辿る旅路は、読者の胸を熱く焦がさずにはいられません。ミステリーとしての緻密さと歴史の重厚さが結晶した、極上の人間ドラマをぜひ体感してください。




