あらすじ
“伝説の学連選抜”を駆けた男たちが箱根駅伝に帰ってきたーー名手・堂場瞬一が放つ青春駅伝小説のベストセラーシリーズ、集大成的傑作!
箱根駅伝本戦出場を逃した大学から「関東学生連合」として選ばれた16人。刻んだタイムが公式記録に残らない矛盾に揺れながら、選手たちは己の誇りと向き合い、東京〜箱根間往復217.1kmを一本の襷でつなぐ戦いに挑む。彼らを率いるのは17年前「学連選抜」の一員だった天才ランナー・山城悟。そして山城が襷をつないだアンカーの浦大地が、優勝候補・城南大の監督として立ちはだかる。名将と呼ばれる浦だが、大学側との確執で大会後の退任が囁かれていた……。選手たちの葛藤と、監督二人の絆が交錯するとき、箱根路に2日間だけの特別なドラマが幕を開けるーー! 堂場瞬一著作200冊記念作品。
ISBN: 9784408538921ASIN: 4408538922
作品考察・見どころ
堂場瞬一が描くのは、公式記録に残らない「名もなき走者」たちの凄絶な意地と葛藤です。関東学生連合という矛盾を抱えた若者たちが、それでも一本の襷に己の誇りを託す姿は、単なるスポーツ小説の枠を超え、人生の本質的な価値を厳しく問いかけます。 かつて伝説を創った山城と浦、二人の監督の過去と現在が交錯する構成こそが本作の白眉です。組織との軋轢や信念の衝突が箱根の冷徹な空気の中で熱く燃え上がり、静謐な文体から立ち上がる鼓動は、読者の魂を激しく揺さぶります。これは、魂を削って走る者だけが辿り着ける至高の人間讃歌です。