あらすじ
ISBN: 9784163919300ASIN: 4163919309
★2026年本屋大賞ノミネート!
★ダ・ヴィンチ BOOK OF THE YEAR 2025 小説部門 第1位!
「どうしても、直木賞が欲しい」
賞(prize)という栄誉を獰猛に追い求める作家・天羽カインの破壊的な情熱が迸る衝撃作!
♦あらすじ
天羽カインは憤怒の炎に燃えていた。本を出せばベストセラー、映像化作品多数、本屋大賞にも輝いた。それなのに、直木賞が獲れない。文壇から正当に評価されない。私の、何が駄目なの?
……何としてでも認めさせてやる。全身全霊を注ぎ込んで、絶対に。
本作は成功という虚飾に満たされながらも「正当な評価」を渇望する表現者の、剥き出しの業を描いた野心作です。村山由佳は、直木賞という権威への執着を軸に、創作の裏側に潜む醜悪なプライドと孤独を抉り出しました。自らの存在意義を他者の審判に委ねざるを得ない人間の「魂の飢餓」こそが、本書の文学的な見どころです。 映像化では文壇の光影と狂気が視覚的に補完されますが、原作の凄みは独白による苛烈な内省にあります。活字でしか味わえない毒々しい心理描写と、映像が映し出す張り詰めた表情の相乗効果は、物語をより多層的に変貌させるでしょう。両メディアを味わうことで、私たちは「書くこと」という名の地獄と救済を目撃するのです。