あらすじ
ISBN: 9784152101303ASIN: 415210130X
携帯やパソコンの影響で情報革命が起き始めた1996年。父親と同じ新聞の世界に飛び込んだ新潟支局の新米記者・高樹和希のもとに謎の男から不正献金疑惑のタレコミが。背後には、かつて和希の父・治郎に煮え湯を飲まされた政治家の田岡とその息子・稔の影が。
堂場瞬一が描く本作の真髄は、時代の転換点における血の宿命と、言葉の力が激突する凄絶な相克にあります。一九九六年という、アナログからデジタルへと情報が変容する熱気の中で、父の背中を追う新米記者が直面するのは、単なる政治不正ではありません。それは世代を超えて連鎖する野望の泥流であり、抗えぬ歴史の奔流そのものです。 泥にまみれながらも真実の一端を掴もうとする青年の葛藤は、情報の価値が激変した現代を生きる私たちに、譲れない矜持とは何かを激しく問いかけます。組織の歯車でありながら個としての正義を貫こうとする小さき者たちの熱き咆哮は、読者の魂を揺さぶり、ページを捲る手を止めさせない圧倒的な筆致で迫ってきます。