六つ花えいこ/秋鹿ユギリ
「次は僕が頑張る番というわけか」オリアナの死を目の当たりにした直後に意識を失ったヴィンセントは、気がつくと四歳の頃に巻き戻っていた。次こそは死に戻りを乗り越えるために、入学するまでに着々と準備を進めていたが、今度は彼女に二巡目の人生の記憶がなかった。「友人になってもらえるだろうか?」「よろしくお願いしますね。ヴィンセント」まずは友達として仲良くなり、自分を好きになってもらうーー完全な不得意分野を、ヴィンセントはなんとか突き進む…!前途多難な三巡目の魔法学校生活、スタート!
本作の真髄は、記憶の断絶がもたらす究極の片思いにあります。献身的な愛を捧げたオリアナに対し、今度はヴィンセントが孤独な戦いへ身を投じます。愛する人が自分を他人として見つめる絶望を抱えつつ、彼女を救うため運命を再編しようとする彼の姿は、あまりにも気高く胸を打ちます。 六つ花えいこ氏は、魔法という舞台を借りて、心の機微を鮮烈に描き出しています。好感度ゼロからの再出発という設定の裏には、愛の本質や信頼の構築という普遍的な問いが潜んでいます。二人の魂が再び共鳴し、関係が動き出す瞬間のカタルシスは、読者の心に鮮烈な感動を刻み込むはずです。