あらすじ
ISBN: 9784087716672ASIN: 4087716678
二度とないと思っていた恋、二度とないと諦めていた自由。夫が作り上げた透明な檻から羽ばたこうともがく咲季子。その「薔薇色の人生」の行方はー新境地を拓く衝撃の長編サスペンス。
村山由佳が到達した、静謐かつ過激な人間心理の極致がここにあります。平穏に見える日常に潜む「透明な檻」を、著者は残酷なまでに美しく描き出しました。夫による執拗な支配という名の愛情。その息苦しさを、五感を刺激するような耽美な文体で綴ることで、読者は主人公・咲季子の震える鼓動を自らのものとして追体験することになるでしょう。 本作の真髄は、単なる逃走劇を超えた、魂の「自活」への渇望にあります。恋と自由を求めてもがく姿は痛々しくも、あまりに官能的です。絶望の深淵から手を伸ばし、自らの手で人生を薔薇色に染め直そうとする意志の強さ。極上のサスペンスの中に、ひとりの女性が真の自分を奪還するまでの激烈な抒情詩が刻まれており、ページをめくる手が止まりません。