あらすじ
大反響のWEB連載、待望の文庫化!
小説家と愛猫との最後の一年をつづった、心ふるえるエッセイ。
ーーもみじ、もみじ、愛してる。早く着替えて、また戻っておいで。(本文より)
房総・鴨川での田舎暮らしを飛び出して約15年。
度重なる人生の転機と転居、波乱万丈な暮らしを経て、軽井沢に終(つい)の住まいを見つけた著者。
当初2匹だった猫も、気づけば5匹に。
中でも特別な存在は、人生の荒波をともに渡ってきた盟友〈もみじ〉。
連載のさなか、その〈もみじ〉が、ある病に侵されていることが発覚してーー。
著者と猫たちが出演したNHK「ネコメンタリー 猫も、杓子も。」も大きな話題に。その撮影秘話も明かされる。
Twitter上で共感・感動の嵐が巻き起こった大人気エッセイ。
愛くるしい猫たちの写真も満載!
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書くことは「痛み」を自覚する行為であると同時に、
「悼み」を表明する唯一のよすがでもある。
そのような場所で、村山由佳さんは書いている。
猫たちとの生活エッセイとして始まった「ねこいき」は、
連載を重ねるうちに、存在と存在がぶつかり合い、
生と死を架橋するLive=Lifeドキュメントへと
大きく変容を遂げた。交感する魂の記録である。
ーー文芸評論家・榎本正樹氏
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著者プロフィール
●村山由佳(むらやま・ゆか)●
1964年東京都生まれ、軽井沢在住。立教大学卒業。
1993年『天使の卵ーエンジェルス・エッグー』で小説すばる新人賞を受賞しデビュー。2003年『星々の舟』で直木賞を受賞。
2009年『ダブル・ファンタジー』で中央公論文芸賞、島清恋愛文学賞、柴田錬三郎賞を受賞。
エッセイに『晴れ、ときどき猫背』など、近著に『放蕩記』『嘘 Love Lies』『風は西から』『ミルク・アンド・ハニー』『風よ あらしよ』などがある。
作品考察・見どころ
本作は単なる愛猫との生活記ではなく、魂が交感し合う生と死のドキュメントです。著者・村山由佳が盟友もみじの最期を綴る筆致は残酷なほど真摯であり、書く行為がそのまま祈りと悼みの儀式へと昇華されています。言葉を通じて生の軌跡を刻みつける著者の覚悟に、読者は震えるような感動を覚えるはずです。 映像番組「ネコメンタリー」で見せた姿の裏にある、カメラが捉えきれなかった内面的な葛藤が、本書では鮮烈に補完されています。映像の記録と、文字による重層的な心理描写が響き合うことで、喪失の痛みは不滅の愛へと変貌を遂げる。この両メディアが織りなす奇跡的なシナジーこそが、本作の真髄と言えるでしょう。


