あらすじ
ISBN: 9784344021839ASIN: 4344021835
井の頭公園の奥深くひそむ、夜にしか開かない図書館。“龍”を祀る旧家に育った血のつながらない兄妹が、時を経て再会した。消し去れない想いを抱き合うふたりは、記憶と今を結ぶため故郷を訪れる。
村山由佳の真骨頂は、理性を超えて響き合う魂の震えを、官能的かつ透明な筆致で描く点にあります。幻想的な夜の図書館で再会する血の繋がらぬ兄妹の姿はあまりに美しく、龍を祀る旧家の重厚な背景が、二人の宿命を神話的な次元へ押し上げています。単なる恋愛を超え、魂の深淵に触れる物語です。 過去の呪縛を解き、生を刻み直す旅路は、読者の心に潜む孤独を揺さぶります。言葉にできないからこそ純粋な情念が、精緻な心理描写によって結晶となり、胸に突き刺さるでしょう。静謐な夜、魂が浄化されるような愛の極致に、ぜひ耽溺してください。