大谷翔平/マイケル・ブランク/ファニー・リム/田中亜希子
今日は待ちに待った開幕戦の日。デコピンは、なんと始球式を任されています。野球場にはホットドッグやとても広い「庭」がありますし、お客さんがたくさんいます。きっと素敵な1日になるでしょう。ところが……うそでしょ!? ぼく、始球式に使うラッキーボールを家に忘れてきちゃった! デコピンは始球式までにボールをもって野球場に戻れるのでしょうか。とびきりかわいいデコピンを描いた、大谷翔平選手による初の絵本。大谷選手とデコピンは、この絵本による収益をすべて慈善団体に寄付します。ポプラ社もこの考えに賛同し、絵本の売上の一部を動物保護団体に寄付いたします。
この絵本は、世界を熱狂させる大谷翔平選手の眼差しが、愛犬デコピンというフィルターを通して綴られた珠玉の物語です。単なる愛犬家の記念碑的一冊に留まらず、完璧主義の向こう側にある「小さな失敗と大きな絆」が瑞々しく描かれています。忘れたボールを求めて奔走するデコピンの懸命な姿には、大切な人の期待に応えようとする献身的な愛情が溢れており、読む者の心を温かく揺さぶります。 球場の熱気や広大な空間を、犬の純粋な視点から捉え直す感性は実に鮮やかです。全収益を慈善活動へ充てるという背景も含め、本作は物語を超えた「希望のバトン」でもあります。ページを捲るたびに、挑戦することの尊さと無償の愛の美しさが胸に迫り、大人も子供も、日常の中にある「とくべつな光」に改めて気づかされることでしょう。