猫がいなけりゃ息もできない
あらすじ
ISBN: 9784834253245ASIN: 4834253244
房総・鴨川での暮らしを飛び出して約十五年。度重なる転機と転居を経て、軽井沢に終の住まいを見つけた著者。当初二匹だった猫は、気づけば五匹に。中でも特別なのは、人生の荒波をともに渡ってきた盟友“もみじ”、十七歳―。大反響のWEB連載が、読者の熱望を受けついに書籍化!愛猫とのさいごの一年。リアルタイムで綴られた奇跡のエッセイ。
村山由佳が紡ぐ本作は、愛猫との別れを綴った随筆の枠を超え、魂の交感を描き切った峻烈な「生」の記録です。十七年を共にした盟友・もみじの死を見つめる眼差しは、静謐な風景の中で、消えゆく命の熱量を圧倒的な筆致で写し取っています。 本作の真髄は、今この瞬間に失われゆく煌めきを逃さず言葉に定着させようとする、リアルタイムゆえの「震え」にあります。猫という無垢な鏡を通して、自らの孤独や愛をさらけ出すその誠実さは、読者の胸を激しく揺さぶります。共に呼吸し、共に老いることの残酷さと美しさを、これほどまでに見事に結晶させた文学は他にありません。