あらすじ
ISBN: 9784087452457ASIN: 408745245X
愛したいのに愛せないーー38歳、小説家の夏帆は、母親への畏怖と反発から逃れられずに生きてきた。
大人になり母との関係を見つめ直すうち、衝撃の真実が……。共感と感動の自伝的小説。(解説/島本理生)
本作の核心は、母という逃れがたい呪縛との凄絶な対峙にあります。村山由佳氏が自らの魂を削り出すように綴った筆致は、愛の裏側にある残酷な支配と執着を鮮明に暴き出します。自伝的要素が極めて強いからこそ、行間に滲む痛みや渇望は読む者の胸を激しく突き刺し、血縁という名の迷宮の深淵をまざまざと見せつけます。 タイトルの「放蕩」とは、自堕落な振る舞いではなく、真の自己を取り戻すための必死の逃走に他なりません。葛藤の末に辿り着く衝撃の真実が、単なる赦しを超えた深いカタルシスをもたらします。共依存の果てに光を求める本作は、逃げ場のない関係に苦しむすべての人に捧げられるべき魂の救済の書です。