あらすじ
ISBN: 9784488592042ASIN: 448859204X
ニーダムと姪のメープルが務める貸本屋に、写真機を抱えた挙動不審な青年が現れた。幼い少女を執拗に観察する彼にニーダムが声をかけると、青年は数学教師のチャールズ・ラトヴィッジ・ドジスンだと名乗った。翌日、ニーダムとメープルは水晶宮(クリスタル・パレス)を観光に訪れ、彼と再会する。そんな折、場内で騒ぎが。現場に駆けつけた二人は、麻袋に入れられた首のない死体を目撃する。ヴィクトリア朝怪奇冒険譚三部作、完結!
田中芳樹氏が描くヴィクトリア朝三部作の完結編は、大英帝国の栄華の象徴・水晶宮を舞台に、知性と怪奇が交錯する極上のミステリです。史実を緻密に織り込み、読者を非日常へ誘う剛腕な筆致こそ著者の真骨頂。科学への陶酔とその裏側の凄惨な死を対比させ、時代の光と闇を鮮烈に浮かび上がらせています。 特に数学者ドジスンの登場は、物語に鏡の国のような深みを与えます。洗練された会話劇と猟奇事件。理性と狂気が重なる瞬間、読者は知的な興奮の極致を味わうでしょう。古き良き冒険譚への敬愛に満ちた、文学的芳香漂う圧巻の終幕をぜひ堪能してください。

田中 芳樹 は、日本の小説家。本名:田中 美樹。らいとすたっふに所属。代表作は『銀河英雄伝説』『創竜伝』『アルスラーン戦記』の三長編など。スペースオペラからファンタジー、現代を舞台とした小説、南北朝時代以降から南宋付近までの中国を舞台とした小説を発表している。