あらすじ
ISBN: 9784396636364ASIN: 4396636369
七百以上の城を陥し「神人」と畏怖された不敗の男。モンゴル軍を率いた漢人武将は、たった一つの夢を叶えるために地の涯を目指す。
田中芳樹が描くのは、不敗の武将・郭侃が抱く、孤独で叙情的な情熱です。歴史の奔流の中で「夕日を見たい」という純粋な渇望に突き動かされる男の姿は、冷徹な軍略と熱い人間性が同居する著者の真骨頂。残照のように美しく切ない、一人の天才が辿り着いた生の境地が、格調高い筆致で鮮烈に浮き彫りにされています。 映像版では新兵器が唸る攻城戦の迫力が視覚的に補完されましたが、郭侃の内面に漂う虚無感や、歴史の黄昏を見つめる知性は、やはりテキストでこそ深く味わえるものです。映像の躍動感と活字の思索性が響き合うことで、地の涯を目指した男の夢は、より多層的な感動を伴って読み手の心に刻まれることでしょう。

実写化・アニメ化された映画やドラマを観て、原作小説ならではの美しい心理描写や、映像化で新たに加えられた解釈・演出との違いを楽しみましょう。
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