あらすじ
ISBN: 9784167830014ASIN: 4167830019
六世紀の中国、南北朝時代と呼ばれる動乱の世。北斉は無能な皇帝の乱脈を極めた統治のもと、西に北周、南に陳、北に突厥と三方を強敵に囲まれていた。あまりの美貌ゆえに仮面をつけて戦場にたったと言われる北斉の皇族、蘭陵王・高長恭は智勇兼備、不敗の名将であり傾きかけた国を必死でささえていた。
田中芳樹氏が描く本作は、単なる歴史英雄譚の枠を超え、混迷の時代を駆け抜けた一人の高潔な魂への鎮魂歌です。著者の冷徹かつ知的な筆致は、滅びゆく北斉という国の退廃と、その中で「美しすぎるがゆえに仮面を被る」という伝説的な矛盾を抱えた蘭陵王の孤独を、鮮烈な文学的叙情へと昇華させています。 物語の神髄は、戦場での圧倒的な武勇と、嫉妬に狂う宮廷の醜悪さとの対比にあります。歴史の必然という抗えない濁流の中で、己の美学を貫き通そうとする蘭陵王の姿は、あまりにも短く、あまりにも美しい。歴史の闇を照らす一筋の光のような彼の生き様は、読む者の魂を激しく揺さぶり、至高の読書体験を約束してくれるでしょう。

田中 芳樹 は、日本の小説家。本名:田中 美樹。らいとすたっふに所属。代表作は『銀河英雄伝説』『創竜伝』『アルスラーン戦記』の三長編など。スペースオペラからファンタジー、現代を舞台とした小説、南北朝時代以降から南宋付近までの中国を舞台とした小説を発表している。
実写化・アニメ化された映画やドラマを観て、原作小説ならではの美しい心理描写や、映像化で新たに加えられた解釈・演出との違いを楽しみましょう。
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