藤崎竜版の本作は、原作の持つ重厚な政治群像劇に独自の華美なビジュアルを加え、悲劇をより鮮烈に描き出しています。ロイエンタールの反逆と終焉は、理性と情熱の相克という人間心理の極致を体現しており、彼の孤独と誇り高き魂が、藤崎氏の鋭い筆致によって紙面から溢れんばかりの熱量で迫ってきます。
映像化作品が宇宙の広大さや音楽的演出に長けているのに対し、この漫画版はキャラの表情や心理を、絵とテキストの相乗効果でより苛烈に表現しています。緻密な画面構成が、宿命に抗う男の切なさを際立たせるのです。アニメと読み比べることで、銀河の歴史という大河が持つ多角的な真実と、映像では零れ落ちる個人の慟哭をより深く味わえるでしょう。