あらすじ
ISBN: 9784043428038ASIN: 4043428030
政治の季節の終焉を示す火花とロックの熱狂が交錯する一九七五年、16歳のノンノにとって、渋谷は青春の街だった。しかしそこに不可解な事件が起こり、2つの焼死体と記憶をなくした少女が発見される……。
一九七五年の渋谷を舞台に、政治の季節の残り香とロックの熱狂を背景に描かれる本作は、単なるミステリーを超えた「喪失と再生」の物語です。柴田よしきが綴る繊細な筆致は、変わりゆく街の景色と、十六歳の少女たちの揺れ動く内面を鮮烈にシンクロさせ、青春という一瞬の閃光が持つ残酷なまでの美しさを浮き彫りにしています。 不可解な事件と記憶の欠落。それらは混沌とした時代の歪みそのものであり、読者は謎を追う過程で、誰もがかつて通り過ぎてきた「自分自身を探す旅」へと誘われます。単なる懐古趣味に留まらず、今を生きる私たちの心にまで熱い火花を散らす、切なくも力強い筆致に魂が震える一冊です。