あらすじ
ISBN: 9784396348830ASIN: 4396348835
きっかけは一匹の猫だった。
まだやれる!を信じて生きる人々を描く奇跡の物語。
緑色の大きな目をした、やけにヒゲの長い猫だった。離婚を機に故郷根古万知に戻った愛美は、この灰色の拾い猫をノンちゃんと名付け、飼うことに。町名をもじって「ねこまち」と呼ばれるシャッター商店街の再活性化を狙い、ノンちゃんは一日駅長を務めることになる。すると、これが話題になり、ノンちゃん見たさに駅は大賑わい、町も観光客で活気を取り戻す。ところが……。
柴田よしきが描くのは、単なる猫との癒やしではありません。挫折を経験した人々が、一匹の猫を媒介に「再生」へ踏み出す瞬間の熱量を、著者は温かくも鋭い眼差しで掬い上げています。閉塞感漂う商店街が鮮やかな色彩を取り戻す過程は、読者の心に希望の灯をともす力強さに満ちています。 主人公の葛藤は、現代人の抱く焦燥そのものです。猫のノンちゃんは、単なるマスコットではなく、人々の眠っていた活力を引き出す鏡として描かれます。止まっていた時間が動き出す興奮と、繋がりの尊さ。本作は、誰しもが抱える「まだやれる」という祈りを肯定してくれる、瑞々しく情熱的な人間讃歌なのです。