あらすじ
ISBN: 9784043428045ASIN: 4043428049
若い男性刑事だけを狙った連続猟奇事件が発生。手足、性器を切り取られ木に吊された刑事たち。残虐な処刑を行ったのは誰なのか? 女と刑事の狭間を緑子はひたむきに生きる。シリーズ第3弾。
柴田よしきが描く本作の真髄は、凄惨な猟奇事件の背後に潜む「聖と俗」の凄烈な対比にあります。若き刑事が捧げ物のように吊るされる異様な光景は、男性中心の社会に潜む歪んだ支配欲を暴き出します。著者の筆致は冷徹かつ官能的で、読者の五感を執拗に揺さぶり続けます。 主人公・緑子が直面するのは、己の中に同居する「女」と「刑事」という相克する魂の葛藤です。月光下の静寂と剥き出しの暴力が交差する瞬間に立ち上がる彼女の孤独な強靭さ。それこそが本作の文学的魅力であり、過酷な運命に凛として立ち向かう魂の叫びとして、読む者の胸を激しく焦がすのです。