あらすじ
「わたしを憶えていますか?」
二十年前に失踪した同級生からのメールが
再会した同級生の日常を脅かす…
作家生活30周年を迎える柴田よしきの
55万部突破ベストセラー、待望の復刊!
修学旅行先の京都で班行動をしていた中学生七人。
その中の一人・小野寺冬葉が知恩院へ向かうバスの中から失踪、消息を絶った。
二十年後ーーグループの一人、美弥のもとに送られた一通のメール。
「わたしを憶えていますか? 冬葉」
冬葉は生きているのか?
メールを機に再会した同級生たち。
大人になり、それぞれ問題を抱えながら生きている彼らを不可解な事件が襲う。
著者渾身のサスペンス長篇。
ISBN: 9784198950736ASIN: 4198950733
作品考察・見どころ
二十年前の失踪事件という静止した記憶が、一通のメールを機に濁流となって現代を飲み込んでいく。柴田よしきが本作で真に描こうとしたのは、犯人探しの謎解き以上に、抗えない歳月の流れに翻弄される人間の業そのものです。瑞々しい少年少女時代と、現実の荒波に揉まれる大人たちの残酷な対比が、読者の胸に鋭い痛みをもたらします。 「わたしを憶えていますか?」という言葉は、平穏な日常を切り裂く刃であり、同時に本当の自分を見つめ直す鏡でもあります。緻密な心理描写によって浮き彫りになる同級生たちの孤独と渇望は、サスペンスの枠を超えた文学的な深みに満ちています。人生という激流に身を投じ、もがき続ける魂の叫びを、ぜひ全身で受け止めてください。