あらすじ
ISBN: 9784101269313ASIN: 4101269319
就職活動を目前に控えた拓人は、同居人・光太郎の引退ライブに足を運んだ。光太郎と別れた瑞月も来ると知っていたからーー。瑞月の留学仲間・理香が拓人たちと同じアパートに住んでいるとわかり、理香と同棲中の隆良を交えた5人は就活対策として集まるようになる。だが、SNSや面接で発する言葉の奥に見え隠れする、本音や自意識が、彼らの関係を次第に変えて……。直木賞受賞作。
朝井リョウが放つ本作は、就職活動という「何者か」になることを強いる舞台を通じ、現代人が抱える肥大化した自意識を冷徹に解体する傑作です。SNSの言葉の裏に潜む他者への蔑視と、虚飾で塗り固めた自己像。その欺瞞が剥がれ落ちる瞬間の描写は、読者の肺腑を抉るほどに鋭利で、痛烈なリアリティに満ちています。 映画版では、主人公の独白を舞台劇として可視化する演出により、活字が持つ心理的な重圧に「客観性」という新たな恐怖が加わりました。テキストが暴き出す内面の泥濘と、映像が突きつける「演じている自分」の滑稽さ。双方が共鳴することで、物語の核心である現代の孤独がより鮮明に、かつ残酷に立ち上がります。
朝井 リョウ は、日本の小説家、ラジオパーソナリティ。2013年、『何者』で第148回直木三十五賞受賞。直木賞史上初の平成生まれの受賞者であり、男性受賞者としては最年少(23歳)である。2026年には『イン・ザ・メガチャーチ』で第23回本屋大賞を受賞した。