朝井リョウ
自分が想像できる“多様性”だけ礼賛して、秩序整えた気になって、そりゃ気持ちいいよなーー。息子が不登校になった検事・啓喜。初めての恋に気づく女子大生・八重子。ひとつの秘密を抱える契約社員・夏月。ある事故死をきっかけに、それぞれの人生が重なり始める。だがその繫がりは、“多様性を尊重する時代”にとって、ひどく不都合なものだった。読む前の自分には戻れない、気迫の長編小説。
朝井リョウは本作で、多様性という言葉の欺瞞を暴き、枠組みから零れ落ちる孤独な魂の叫びを活写しました。秩序という名の暴力に抗う究極の生存肯定は、読者の日常を根底から揺さぶります。価値観の再構築を迫る、あまりに峻烈で真摯な人間讃歌です。 実写版は光や水の静謐な映像美が彼らの秘められた情熱を補完していますが、原作の真髄は読者の思考を逃がさない強靭な言葉の力にあります。文字でしか到達できない内面の深淵に触れることで、映像版との強烈な相乗効果が生まれ、私たちは真の意味で他者を知る入口に立つのです。
朝井 リョウ は、日本の小説家、ラジオパーソナリティ。2013年、『何者』で第148回直木三十五賞受賞。直木賞史上初の平成生まれの受賞者であり、男性受賞者としては最年少(23歳)である。2026年には『イン・ザ・メガチャーチ』で第23回本屋大賞を受賞した。
実写化・アニメ化された映画やドラマを観て、原作小説ならではの美しい心理描写や、映像化で新たに加えられた解釈・演出との違いを楽しみましょう。
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