あらすじ
少年時代に殺人を犯したが、のちに氏名を変え、弁護士となった御子柴礼司。
常識外れの論理と禁じ手すれすれの証拠を駆使し、悪評まみれの御子柴が、
高級老人ホームの入所者九名を惨殺した男性介護職員の弁護を引き受ける。
自らの凶行を崇高な使命だとうそぶく被告人の真意とは?
シリーズ屈指の衝撃作。
「被告人が無実だろうと真犯人だろうと関係ない。依頼人の利益になる判決を勝ち取るだけだ」
ドラマ「悪魔の弁護人・御子柴礼司〜贖罪の奏鳴曲」原作「御子柴弁護士」シリーズ、第6弾。
●御子柴礼司(みこしば・れいじ)
本シリーズの主人公。14歳の頃、幼女を殺害しその遺体を解体してばら撒き〈死体配達人〉
と世間から呼称される。少年刑務所を経て、高額の報酬を得ながら、
検察の見立てを次々ひっくり返す悪徳弁護士となる。
ISBN: 9784065423639ASIN: 4065423635
作品考察・見どころ
中山七里が放つ本シリーズの真骨頂は、かつての加害者が法廷で正義を解体する背徳的な構図にあります。本作では九人を殺め自らを救済者と称する被告人が現れ、御子柴の過去と現代の凶行が鏡合わせのように激突します。善悪の境界が消失し、論理が狂気へと変貌する様は、読者の倫理観を揺さぶる文学的迷宮です。 映像版では主人公の冷徹な佇まいが際立ちましたが、原作の醍醐味は内面に渦巻く罪悪感と執念を鋭利な筆致で追体験できる点にあります。映像が動の迫力なら、本書は魂を削る静の深淵。闇の底から真実を掴み取ろうとする著者の執念が、読者の心を熱く焦がすはずです。









